JON BON JOVI
MONMOUTH UNIVERSITY
Commencement Address
May 16, 2001

Translated by Bona

こんにちは。そして2001年卒業組のみなさん、ご卒業おめでとう。スタッフォード校長、教授陣のみなさん、卒業生、ご両親、そしてご家族、ご友人のみなさんもおめでとうございます。君たちのこれまでの人生の中でもっとも特別 なこの日、この卒業式のスピーチを頼まれたことはとても恐縮することであり、また名誉なことだと感じています。

これからの君たちの人生の中で何かの役に立つようなお話ができないものだろうかと、この数週間考えていました。しかし私の自伝も39才の今、まだ終わってはいません。しかしみなさんより数章先を歩んでいるわけで、みなさんに伝授できるレッスンがおそらくいくつかあるのではないかと思います。

今この瞬間、いろんな感情が君たちの中をかけめぐっていることでしょう。喜びから恐れ、不安から安堵。でも心配しないで。それが普通 です。そしてその感情は前にも体験したことがあるものなのです。幼稚園から小学校へ上がった時、中学から高校へ、そして大学へ上がった時。新しい始まりの連続。そして今、ある者はさらに進学する道を選び、ある者は実社会へと羽ばたいて行くでしょう。しかし、君たちの勉強は終わったわけではないのです。職場を新たな学校と思い、学べることすべてを吸収するのです。下っぱから始めるのを怖がっていてはいけません。謙虚になり、謙虚で居続けなさい。もしその仕事をレッスンと受け止めることができるなら、君はどんな仕事も見下すことはしないでしょう。

私は音楽の世界でとても成功したと言えるかもしれません。しかし映画の仕事を始めた時、私は仕事を探すただの一人の役者でしかありませんでした。私の名声は助けにはなりませんでした。実際のところ、それは足かせでしかなかったのです。役者に転身するミュージシャンを奨励してくれるハリウッドの人間など誰一人いません。演技のコーチについてもらうためにオーデションを受けなければいけないくらいだったのです。演技のレッスンを受けても役が回ってくるわけではありません。オーディションを受けたのです。最初の映画の役を勝ち取るまで、何年も待つ辛抱強さと忍耐が求められました。正直なことを言えば、初日セットへ行く途中の飛行場で、回れ右をして逃げ出したいという思いが頭をかすめました。メジャー映画のセットの中で、グウィネス・パルトロウや、ウーピー・ゴールドバーグや、キャサリン・ターナーの横に立つまでに、3年間を狭い部屋の中で演技コーチと一緒に過ごして来たのです。怖かったか?もちろんです。もう一度最初から、下っぱから始めたのです。それはまるで入学第一日目のようでした。でも母を呼んで自分の手を握っていてもらうわけにはいきません。再出発でした。

さて、君たちの中の数人は、将来の人生設計を持っていることでしょう。勉強を続けるかもしれないし、ウォール街を征服するかもしれないし、フォーチューン誌に載っていた500社から始めるかもしれないし、政界へ入るかもしれないし、芸能人になるかもしれません。そして、人生設計を立ててない人もいるでしょう。それでもいいのです。決めていないことを恥だと思うことはありません。覚えておいてください。人生とはマラソンです。人生という道中で、君はいつだって方向転換できるのです。私の20代前半は、明日が何を運んでくるのかわかりませんでした。そして40才になろうとしている今も、やはりわかりません。でもそれが人生を面 白くしているのです。ですから人生の設計図を書いてもいい。でも鉛筆で書くのです。覚えていてください。さまよえる人間が必ずしも全て迷子になるわけではないのです。

さて、ここで挫折について話さなければいけませんね。どうしたら君たちを落胆させずに挫折について話せるでしょう?とりあえずこう言いましょう。挫折とはやっかいなものです。誰も失敗、挫折などしたくはありません。でも不幸にも、それは避けては通 れないものです。挫折について私が言えることはただ一つ、それは手ごわい相手だということです。でも恐れることはありません。実際のところ、失敗は君にたくさんの事を教えてくれます。たくさんの君自身のこと、たくさんの他人のことを。

私達は皆、人生において挫折を味わいます。君が負けた勝負、パスしなかったテスト、私の場合は音楽界で絶対に成功しないという烙印を押したレコード会社のお偉方。どんなものでも。要は君が起き上がり、ほこりをはたいて、人生とうまくやっていくということなのです。

いつだったか1330回三振した野球選手の記事を読んだことがあります。でもベーブ・ルースが1330回失敗したことを私達は覚えていません。私達が覚えているのはベーブ・ルースが714回のホーム・ランを放ったことです。これがすべての差を生む挫折から君たちが学ぶことです。成功とは七転び八起きのことなのです。

世の中は競争社会です。でもこの卒業証書があるから競争が楽になるなどとは思わないでください。毎年、たくさんの新人が私の地位 を狙ってレコードを作っています。そして今この瞬間にも全国で何千人もの大学生が卒業証書をもらっています。その中の数人はたぶん自分が持っている紙きれの方が価値があると思っている、あるいは自分の所の卒業スピーチの方がもっと印象的だと思っているイエールやジョージタウンやダートマス大出身の人間です。覚えておいてください。私達はジャージー出身だということを。私達はずっと負け犬として生きてきました。そして私が言えることは、最後に勝つのは血統などではなく情熱だということ。他人との比較から自分を解放するのです。誰かがしゃれたスニーカーを履いていたからといって、それがより速く走れる理由にはならないのです。

ボン・ジョヴィは成功を約束されたバンドではありませんでした。評論家に聞いてみてください。私たちはニューヨーク出身でも、ロサンゼルス出身でもなかったのです。伝説のロックスターのようなライフスタイルを体現したわけでもありません。例えレースに勝ったとしても、ネズミはしょせんネズミなのだと悟るまで、彼らの後を必死に追いかけたこともありました。千分の1のバンドがレコード契約を勝ち取り、その中で成功するのは百万分の1です。私はトップに立ち、そしてこき下ろされました。それも一回ではありません。しかし、私はいまだにこうしてここにいます。今でもまだ負け犬か?そうかもしれない。情熱は?あふれんばかりに。

情熱ほど大切なものはありません。人生の中で何をするにしても、情熱的でいてください。世の中にもうこれ以上中途半端なものは要りません。誰も凡人になどなりたくはない。でも、完全な存在である必要もありません。私達は完璧な存在になどなれないのです。しかしこの3つのPは覚えておいてください。情熱(Passion)+粘り強さ(Persistence)=可能性(Possibility)なのだということを。

もちろん、誰だって素晴らしい小説や、NO.1ソングを書きたいと思うものです。合衆国大統領になることや、偉大な夢想家になることを夢見ない人がいるでしょうか?そういうことを夢見ながら「ああ、でもスタインベックよりも優れた本を書くなんて無理だ。ビートルズよりも良い曲なんて書けるわけがない」と言うのはたやすいことです。一体どうすればビル・ゲイツのように賢く、リンカーンのように勇敢になれるのか?自分はできると信じるのです。信じるのです。そうすればどんなことでも可能になるのです。

愛を信じましょう。魔法を信じましょう。サンタクロースを信じましょう。他人を信じましょう。自分自身を信じましょう。自分の夢を信じましょう。君が信じないで、一体誰が信じてくれるのです?私は幸いにも、ここにいる君たちと同じように、「信じる」ことができる人達に囲まれて生きてきました。彼らの声を聞きなさい。そうすれば君は君自身をも信じるようになるでしょう。

なぜなら君達ひとり一人が他の誰も持っていない、あるいは持ったことのなかった何かを持っているのです。君の指紋、君の脳、君の心。個性を大事にしましょう。唯一無二の存在になりましょう。立ち上がって声をあげましょう。誰かに振り返ってもらうのです。それが個々の力です。

一日は25時間ではないのです。ないものねだりはやめましょう。

時間をかけて。立ち止まって周りを見渡してみましょう。この一瞬を脳裏に焼きつけましょう。目を凝らして、心を凝らして、心の写 真を撮りましょう。君の頭と心に写真のように映像を残すのです。もし君がすでにそれをやっているなら、素晴らしいことです。もしやっていなくても、良いアイデアだと思ったら今から実行しても遅くはありません。辺りを見渡し、この瞬間を覚えておきましょう。一日の終わりにいるのはたくさんのオモチャを勝ち取った君ではなく、思い出に囲まれた君です。なぜなら君が100才になってロッキングチェアに座る時、それらの思い出は君の旧友になるのだから。君に微笑みをもたらす存在になるのだから。そばに来てくれる素晴らしい友だちがたくさんいたほうがいいですよね。

私が確かに知っていることがいくつかあります。

「老けることなく成長しよう」

「奇跡は毎日起こるもの。君の奇跡の概念を変えてみよう。そうすれば君の周りのあらゆるところに奇跡が転がっていることに気付くだろう」

「エルビスは確かに生きている」

「君が計画をたてるのに忙しくしている間にも人生は過ぎ去って行く」 (←この訳自信なし。ジョン・レノンの名言?)

「命ある限り精一杯生きよう」

「そして両親に感謝を」

私もこの公の場をかりて自分の両親に感謝したいと思います。私たちがここにこうしているのも両親のおかげですが、それだけではなく、彼らは君が人生の頂上にいる時、いつも隣で一緒に空を飛び、君が人生の谷を転がる時は、いつも君の下へと沈みこんで君を支えてくれたのです。彼らこそしっかり抱きしめられるべき人たちです。実際のところ、彼らは大きな家や車や長い休暇だって与えられるべきなのです。そして君が一人前の人間に成長した今、強いお酒の一杯もね。

今日という日が君のデビュー戦です。フィールドへ出てプレイするのです。この卒業証書を両手でしっかり持ち、タッチダウンダンスを踊りましょう。君が得点を上げたことを世界中に知らしめるのです。君のその手に握られた紙切れがボールです。君のすべてです。

これは独立宣言なのです。

君のインディペンデンス。

ハッピー・インディペンデンス・ディ!

明日から仕事がんばって。

今夜は思いっきり遊んでください。

君にはその資格があるんだから。

幸運を、そして良い人生を。

JON BON JOVI May 16, 2001


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