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Glory Rockを探して

この岩に見覚えがありませんか?

この岩に行きたいとずっと夢見ていました。ジョンが初めてBJ以外のソロの仕事として映画『ヤングガン2』の主題歌を手がけて、Blaze of Gloryという曲を書いたのが1991年。その曲のプロモーションビデオでジョンはアメリカの西部のどこかにあると思われる大きな岩の上に立ち、カウボーイの最後の決闘の歌を歌ったのでした。この曲はリリース後まもなく全米ナンバーワンとなり、アカデミー賞で主題歌賞にノミネートされましたが、私はその歌の素晴らしさ、映画の素晴らしさもさることながら、これほどまでにヒットした要因の一つにはこのビデオクリップの素晴らしさがあったのではないかと思ってます。

ビデオクリップを見る限り、この岩はちょっと変わった形をしていました。ジョンが立っている平地はまったいらなのに、崖がいきなり垂直に切り立っていて、横から見ると山のような形ではなく、台形のように見えました。後でわかったことですが、これはビュートと呼ばれるもので、何万年も昔、地平線は実はジョンが立っていた高さだったらしいのです。それが長い間のコロラド川の侵食により軟らかい質の土が削り取られ、残ったのがあの形なんだそうです。グランドキャニオンも将来はあんな姿になるのだとか。

アメリカ人は西部開拓時代のカウボーイが大好きですが、私も母の影響からか西部劇が結構好きで、『シェーン』とか、ジョン・ウェインの『駅馬車』とか見たりしていました。だから、ジョンが『ヤングガン2』の主題歌を歌うことになってとても嬉しかったし、ビデオ・クリップを見た時にはその土臭さに感動してしまいました。でも地平線まで何もないアメリカ西部は日本から見ると遠い遠い別 世界の風景で、その当時18才だった私はこの場所に自分が立つなんてこと考えもできませんでした。不可能だと思っていました。

でもあれから10年後。母と親戚と一緒にアメリカ西部をレンタカーで旅することになって、ふと、あの場所のことを思い出しました。だけど、アメリカ西部なんてだだっぴろいのに、そこからあの岩を探すなんて到底不可能。しかも出発は2日後に迫っていました。今から探すなんて絶対無理、そう思いましたが、どうしてもあきらめきれず、ダメもとであるBJファンサイトの掲示板で「あの場所はどこ?」という題でスレッドを立てたんです。出発前夜、きっと誰も正確な場所は知らないだろうと思いながらもメールを開いたら…!ある方からメールが届いていました。「あのプロモのドキュメンタリー番組のビデオを見たのですが、たしかユタ州のキャッスルバレーと言っていたと思います」うそみたい!場所が特定できた!さすがBJファン!さすがインターネット!聞いてみるもんだなぁ〜!その方に深く感謝しながらいざソルトレイク・シティーへ!でもまだその時は行けるかどうか全然自信がありませんでした。何しろキャッスルバレーがユタ州のどこにあるのかさえわからないで飛び立ったわけで(笑)ユタ州の地図をさっそく手に入れて私たちは最初の目的地、アーチーズ国立公園へと車を走らせました。第一日目は途中の町で一泊。そしてその夜、私は地図を広げてキャッスルバレーを探しました。すると!なんと私たちが行くアーチーズ国立公園からすぐのところにCastle Valleyという文字を発見!!「ここだあ!この距離なら車で30分もあれば行けそう」胸が高鳴りました。あの風景をこの目で見れるかもしれない…。

次の日、アーチーズ国立公園に近くなるにつれ、大地が赤茶けてきました。360度地平線の広がるこの風景。まさにあの岩がありそうな雰囲気です。 アーチーズ国立公園は西部劇ファンにはたまらない景観が広がっていました。奇妙な形の赤茶けた岩がゴロゴロ転がっていて、どれもとてもおもしろかったのですが、私はあのBJ岩、はたまたGlory Rock(勝手に命名)のことが気になってしかたがありません。 でも私たちは夕方までに100キロ先のモニュメントバレーに行かなければなりませんでした。今からキャッスルバレーを探す時間はないかもしれない…。だったらせめてこの国立公園の高台から見えないか…。穴の開いた大きな赤い岩の上に登って必死に探しました。たしか地図だと東の方向に見えるはず…。目を凝らして必死に探しました。すると…。「……あった!」 遠く遠く、はるか遠く、かすんで見えるたくさんのビュートの中に、たしかに見覚えのある形が立っていました。 周りには似たような形のビュートがいっぱいあったし、遠くだったからすごく小さくしか見えなかったのに不思議とあれだと確信できたのです。はるか遠くに見つけてしまったからには、あの場所に行きたい!もっと近くで見たい!という欲が出てきてしまいました。私は母と親戚 にキャッスルバレーに寄ってほしいと懇願しました。

車はアーチーズ国立公園を出てルート191を南へ。そしてモアブというアーチーズ国立公園の玄関口となっている小さな町の入り口直前でコロラドリバーを渡り、左に曲がってルート128のイーストへ。この道はコロラドリバーに沿ってクネクネと曲がっていて、周りは赤茶けた峡谷がそそり立っています。本当に土がレンガのように真っ赤です。土ぼこりで前がよく見えないような舗装していない道を30分間走りました。「本当にこの道でいいの?」と思い始めた頃、突然目の前が開けて草原になりました。そして木でできた小さな方向指示板にCastle Valleyと書いてあるのを発見! 私は車を降りて辺りを見回しましたがグローリーロックは見つかりません。また車を走らせました。そしてカーブを曲がり終わったその時!突然目の前にグローリーロックが現れました。圧倒的な大きさでそびえ立ち、私を見下ろしていたのです。私は車を降りて、キャッスルバレーの大地に立ち、どっしりと大きくそびえ立つその赤い要塞を見上げました。私たち以外人っ子ひとりいないその場所は静寂に包まれています。聞こえるのは乾いた風の音だけ。「ここまで来たんだぁ〜…」10年前のプロモビデオと変わらない風景。きっとこの先100年経っても変わらない風景かもしれない。ユタ州にはそんな風景がたくさんある。

この岩に登るトレイルはなく、ジョンはヘリコプターで上まで行ったと聞いていたので、私は双眼鏡で岩を見て、写 真をパチパチ撮るだけでしたが、あの岩を肉眼で見れただけでも、ジョンが見た風景を見れただけでも大満足でした。ジョンは撮影の時、前日はモアブの町に泊まり、撮影の最中はあの岩の上で寝泊まりをしていたそうです。そう、ちょうどBlaze of Gloryの歌詞にあるとおり、「地球が昨夜のベッド」だったんですね。

 

その後一週間の旅を終えて、ソルトレイクシティーの空港でユタ州の写真集を見ていると、あの岩が載っていました。ちゃんと Priest & Nunsという名前がついていたんです。岩の一部の形が、神父様とシスター達に見えるのでしょう。

あの場所に行ってますますアメリカ西部の虜になりました。そして、西部を好きなBJにますます共感した、そんなグローリーロックへの旅でした。みなさんもアメリカ西部へ旅行することがあったらBlaze of Gloryを聴きながらスティール製の馬に乗って地平線めがけてぶっとばしてくださいね!

そして最後に、あの場所を教えてくださったゆきうさぎさん!本当にどうもありがとうございました!ゆきうさぎさんのおかげで素晴らしい体験ができました。BJファンバンザーイ!


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