叶わぬ願い
今回は第1回目で取り上げた歌詞をさらに深く深く掘り下げていきましょう!
If you told me to die for you, I would.
「え〜、これ前にやったよ!」という声が聴こえてきそうですが、第1回目では半分しか掘り下げていなかったので、続きをやりたいと思います。
この訳は「君が私のために死んで、というなら死ぬ だろう」ですが、日本語訳が現在形なのに、なぜ原文が "If you tell me to die for you, I will." じゃないんだろう?と疑問に思いませんか?英語で「もしも」の話をする場合、現在形と過去形を使い分けることで、実現可能な「もしも」の話と、実現不可能な「もしも」の話を区別 することができます。未来を表すwillは、ほとんど100%現実になる未来の話をする時か、または100%実現する気があるほどの強い意思を表す時に使うことが多いんです。ジョンが大阪ドームでI'll be there for youを歌った時に、"From the thousands miles away, you just call my name, I'll be there for you." 「数千マイルの彼方からオレの名前を呼んでくれさえすれば、君のためにかけつけるよ」と替え歌にして歌っていましたが、これには日本のファンが自分達を必要としている限り、絶対に日本に来るよ、という強いメッセージが感じ取れます。
ではなぜAlwaysの歌詞に実現が難しい場合に使う過去形の「もしも」を使っているか?歌詞を読めばわかりますが、これは別 れた後の歌ですよね?彼女はすでにどこかに去ってしまって、自分に向かって「私のために死んで」と言ってくれることはもうあり得ない。つまり叶わぬ 願いなわけです。「もし君が『私のために死んで』と言ってくれさえしたら僕は喜んで死ぬのに・・・でももう君はそう言ってはくれないんだね」という切ない思いが、Alwaysには込められているのです。
I would give anything, my blood, my love,
my life,
if you were in these arms tonight.
同じようにIn These Armsも叶わぬ思いを歌っているんですよね。"I would give anything, my blood, my love, my life, if you were in these arms tonight. I'd hold you, I'd need you, I'd get down on my knees for you, and make everything alright, if you were in these arms." 「もし今夜君をこの腕に抱けるのなら、オレの血、オレの愛、オレの人生、すべてを君に捧げるのに。君を抱き締め、君を必要とし、君のためにひざまずき、すべてうまくいかせてみせる、君をこの腕に抱けるなら」。ちなみにIn These Armsは「この両腕の中に」という意味です。Arm「腕」は2本あるから、Thisの複数形の「these」「これら」を使っているんです。「両腕でしっかり抱き締める」わけですね(うう、うらやましい)
ちなみに同じ別れの歌でもI'll be there for you.はなぜ実現可能な未来を指すwillを使っているのか?歌詞をよく読んでみてください。彼女はすでに去ってしまったのではなく、今スーツケースを手に持ち、まさに去ろうとしているのです。つまり説得すればまだ間に合うかもしれない。二人の関係はまだ終わってない。彼は彼女をあきらめてはいないんです。しかも「そばにかけつける」という行動は「死ぬ 」よりも簡単に実現可能な行為なので(笑)willなんですね。ちなみに水になったりワインになったりする時もwillですが、まぁ、これは比喩なので、深く考えないよーに(笑)
というわけで、would(willの過去形)を使う時はあまり確かではない未来のことを言う時だと思っておいてください。その前の過去形の文とつながっている時は時制の一致ということもあるし。
では、ここでクイズ。本当に過去の話として、「もし君が『私のために死んで』と言ったら死んでいたのに」(でも今は死なないよ)という場合はなんて言うでしょう?
答え(反転させてください)→ If you had told me to die for you, I would have died for you.
ぎょえ〜出ましたね〜!ややこしい表現!「〜しただろう」というふうに現実に起こらなかったことを可能性として想像する時は、「would+現在完了」を使います。なのでこの場合、「would have died」「死んでいただろう」です。その前の「君が『私のために死んで』と言ったら」というのは、「死んでいただろう」ことよりも前の出来事のはずなので、現在完了よりもさらに前の過去(大過去)を表す過去完了を使って「had told」にしなければいけません。
Bonaの気まぐれコラムここでいきなりBonaの気まぐれコラム〜!楽しく英語の勉強をするコツなんかを不定期で一言コラムとして書いていきたいと思います。ただここでkeep in mind!これから書くことは独断と偏見に満ちたBonaなりの英語学習法です。私が英語を勉強してきて感じてきたことなのですが、私一人の経験に基づいた文章ですので、この勉強法が万人に当てはまるとは思っていません。とりあえず一つの参考として自分にぴったりの勉強法を見つける手がかりになったらいいなと思っています。 ●和訳は無用
当然ですが、日本語と英語はまったく異なった言語です。文法も表現方法も全然違います。訳すという作業は本来無理があるんです。英語を日本語に訳すためには時に後ろから訳していかなければならない場合があります。しかし、英語圏の人達が英語を読むとき、後ろから読む人はいません。みんな頭から読んで理解しています。日本語に訳そうと思った時点で、あなたは日本語風の読み方から離れられなくなるんです。日本語訳をするといかにも勉強した気分になりますよね。でも、実際には日本語訳をしている時の頭の中は80%どういう日本語に訳すかという日本語表現のことばかり考えていることになります。さらに時間ばかりかかって身になるものはほんの少しです。翻訳家を目指しているならいざ知らず、そうでない場合はウサギ飛びと同じ!百害あって一利なし(キッパリ)!読むことと訳すことはかけ離れた行為です。英語を読もうと思ったら、意識的に日本語を頭の中から切り話す必要があるんです。実際、私は本格的に英語の勉強を始めてから大学を卒業するまでの5年間の間に日本語訳を作ったことはただの一度もありません。
英語を学習する上で絶対にやってはいけないこと。それは英文を日本語に訳すことだと思っています。ノートを開いてペンを持って日本語訳を書こうとした時点で、英語習得への回り道を選んだのだと思ったほうがいいと思います。ぜひ和訳を作らずに、英語は英語のまま、頭から読んで理解する癖をつけましょう。英語のままだとイマイチ意味があやふやだなぁ、と感じてもそれでいいんです。和訳で意味がハッキリ理解できるよりも原文でなんとなく理解できるほうがまだマシです。和訳を作る時間があるくらいなら、その代わりにたくさんの英文を読んでください。文脈で大体の意味がわかるなら、知らない単語が出てきても一語一語辞書を引く必要もありません。100%理解する必要もありません。70%くらいを目指してとにかく読んで読んで読んで読んで読みまくる!ただ読むだけでいいんです。日本語訳を作るなんて面 倒臭いことわざわざやることないですよ(笑)
ちなみに私はこのHPで日本語に訳す作業をしてますが、原文を読んだり、BJのテレビを聴き取ることは勉強になっていても、訳をすることが勉強になっているとは思っていません。強いて言えば日本語の文章表現の勉強にはなってるかもしれませんね。
●第1回 (体験入学) 歌詞を掘り下げよう ●第2回 歯をキック?! ●第3回 叶わぬ 願い ●第4回 信じる・・・ ●第5回 PRT interview ●第6回 当たって砕けてファファファファ ●第7回 TWO STORY TOWN裏話 ●第8回 WYSIWYG